【長編】雨とチョコレート

4月 - 2

「・・・・・・・・・・・・・・で、何も言えずに撃沈、と・・・」

「撃沈っていうな・・・」


机に突っ伏す。

もうだめだ。


もう、無理だ。



もう、行動に移せない。




昼めしを食べ終わって数学の教科書を出しながら、あきれ返る神埼。



「別にね、真山の行動がどうとか、そういうのは俺が口を挟むことじゃないしさ。何も言いたくないけど・・・」

「・・・けど・・?」



「しのちゃんのことになると”ヘタレ”っていうか”奥手”っていうか」



・・・昔からだ。

俺の頭の中には第一に『しのに嫌われたくない』で、第二に『ずっとそばにいたい』だった。


コレは9年の間、変わったことはない。



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