神宮姫伝
昴はあたしに妬かせたい。
女に絡まれ、偶々あたしを見つけた。
作戦を考え実行し……見事に成功。
(……まんまと嵌められた)
とんでもない失体をした事に溜息混じりに額を押さえる。
「……拗ねてんのか?」
ひょいっと下から覗きこまれ、こんな状況にも拘わらず思わずドキリとする。
「心配、したのに」
「ん?」
ぽつりと小さく零れた声は聞こえなかったかのか優しく聞き返す昴。
「………昴の馬鹿!」
余裕のある昴に自分でもよく分からないくらいに色んな感情が湧き上がり思わず叫ぶ。
余裕があるのがムカつく。
女の子と話したのもムカつく。
嫉妬したよ、しましたよ。
全部見透かされてたのも恥ずかしい。
心配だってしたよ。
訳分かんない感情が押し寄せて、とりあえず昴に仕返しがしたくなってくるりと踵を返して宛もないけど祭りとは反対方向へと逃げる様に歩き始めた。