もっと早く‥
捜査願は保護者か配偶者などの家族や親族に限って出すことができる。






俺はそのうちのどれでもない。







紗夢‥どこにいるんだ‥。







俺はセミが鳴り響く中トボトボと家に帰った。







マンションに着くと、エントランス前に玲美がいた。





「幸!」


「‥お前だろ。」


「え?」




何が?と言わんばかりの顔で俺を見上げる玲美。





「返せ‥。」


「幸?」


「紗夢を返せよ!!!」


「っ‥!!」





気付けば怒鳴っていた。






玲美は俺を見上げたまま固まった。




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