秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
だって…緊張するじゃない。
ペラペラ喋ってなきゃやってらんないよ。
「はーあ…」
大きくため息をついて、割り込んできた梨音をぎゅうっと抱きしめた。
「きゅうきゅう…」
「はーあ…」
離せ離せと…かっくんのとこに行くんだいっと…じたばた暴れるのもお構いなしに…。
「わんっ」
「こら」
「くうん…」
…うん。相変わらずいい子。
一言叱るとすぐに言うことを聞くえらーい梨音は、ごめんなさいとでも言うかのように、あたしの手をぺろぺろ舐めた。
「……まお」
「ん?」
そんな梨音をよしよし撫でていると、ふとかっくんに呼ばれた。
振り向かずに声だけで返事をするも、それきり応答も動きもない。
「?」
ちらっと振り返ると…。
「おお!?」
…同時に視界が反転!!
まさか野木さんミスった!?
きっと機体がくるんと回転…。
「ひっくり返ったのはお前だけだ」
「…まじですか」