秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*

――シュンサイド――


―ガシャーンッ…!


『え!?』

『な、なに?』


「今の楓の病室から…」

「まお!」


滞在先から病院へと移動し、真裕が楓の病室から出てくるのを待っていた時。

突如何かが割れたような音が室内から響いた。


『なんですか今の!』


なぜかちょうどこちらに向かっていたらしい医者も慌てて走ってきた。


「まさか真裕のやつなにか…」


そこには真裕父もいて、楓の母もいた。

この間初めて会ったが、とても美人だ。

さすがにあの美形の母親なだけあるな…。


「まおちゃん!?」


慌ててカラッと扉を開けた楓の母。

俺達も思わず後ろに続いた。



「っ…うあーんっ…!! うっ、うっ…ふえ…! ああーんっ!」



「ま、まお?」


『ど、どうしたのマヒロ?』


中からは、激しく号泣する真裕の声。

こんな状態は初めてで、誰もが戸惑った。


「真裕、仕方ないんだよ」


「そうよ…まおちゃん。私も…」


なぜだか諭そうとする二人の言葉に、真裕は激しく首を振った。


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