秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*

「え?」

「あ…」

「かっくんさん」

「優衣その呼び方はヘンだ」


最後の二つは聞かなかったこととして、振り返った四人と顔を上げたお義父さんを俺は無意識に睨みつけた。


「え…おとうさん…って…」

「あれ…? 藤峰洋平じゃ…?」


「おお楓くん! なんという偶然だっ。野木がいなくて車がないから仕方なく自転車なるものに初めて乗ってみればなんと急に動かなくなり困り果てていたところ助けていただいた日本人の方の…」


「もういいわΣ大体分かったしΣ」


ったく…。

なんだってこう、神出鬼没なんだこの人は。

本当にどこにでも現れるな…。


「ちょっとどういうこと?」


呆れてため息をついていると、真裕曰く“顔その一こと亜衣さん”が俺に詰め寄ってきた。


「別に…どういうこともそういうこともないけど」


「あのー…藤峰家のご当主の洋平さんではないのですか…?」


「そうだよ」


「でも今おとうさんって…」


「ああ、いや。だから…」


…とこのタイミングで。

絶妙過ぎるタイミングでまたも現れるのが…。



-カララン…



「そんなことでなにしてんのあなた……ん? …え、父様?」



…俺も…洋平さんも…愛してやまない、真裕なのであった。


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