秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*
聞こえた単語に思わず心の中で突っ込んだ。
それこそお祖母様みたいだわよ。
「我々藤峰は、由緒ある貴族の末裔ですのよ!?」が口癖だものね。
…なんてことはそうだ。
今はどうでもいいのだ。
「ね、野木さんに連絡…」
「したよ」
「いつ!?」
「お前がまたどっかへんな世界行ってる間に」
「行ったかしらそんな世界…」
「自覚があったらそりゃ行ってねぇんだよ。自覚ねぇから行ってんだろ」
「意味がよく…」
「分からなくていい。もう行くぞ」
「はーい…」
「ちょっとちょっと君達こらこら。僕を忘れてるんじゃないのかなさては」
「あ、そうだわ。すいませんが、あたしのことはもうちょっとシークレットで頼みますねー」
「へ…?」
まあ別にいいんだけど…。
でもさ、報道的な形で知られたくないし。
正式に発表って形にしたいしね。
じゃなきゃ…安心して産まれてきて、静かに育っていくことなんてできないよ。この子。
ま…実際どっちでも大差ないんだけどね。
気持ち的な問題ではあるよね。
うんうんと自分の考えに妙に納得しながら頷いていると、顔その二こと優衣さんに声をかけられた。
「あ、あの!」
「はい?」