堕ちても君と
「え?だ…誰に?」






私が尋ねれば、アレンが嘲笑を浮かべる。






嘲笑と言っても、それは悲しい、自嘲的な笑い方。






「俺に、とても似ていたからだ」







ムーラによってそこで会話は途切れてしまい、理由は聞くことが出来なかった。






(でも、聞かなくて良かったのかも…)






これ以上アレンと話せば、私はきっと…本当の意味で。







(堕ちてしまう)






「ミルクル、でしたっけ?」






部屋を出た瞬間、ムーラが私を壁に押し付ける。
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