名前も忘れてしまった
するといきなり木下くんが立ち上がった。
「……とりあえず、もう駄目だかんな!自分けなすの!!」
「はっ…はい!!」
「何で敬語?」
木下くんが笑った。少年のような可愛い笑み。
「じゃ、俺行くから!」
「え、嘘!?」
「何……まだいて欲しい?」
今度は私をからかうような顔をされた。
まぁ……実際まだいて…………欲しい…のかな。
「最後に言うけど、自分に自身持て。じゃ!!」
木下くんは、そう言ってすぐに屋上から去ってしまった。
「はい!!」
私は一足遅く返事をした。