とりあえず王道に現実主義者を混ぜてみよう



龍崎はそのままの体制で幹部の会話を聞き続ける。

え、あの
離せよ、とか言える雰囲気じゃないんですが。

ていうか、鼻だけで息するのって、結構苦しいんですが。


「チッ、これだからファンクラブなんてのは」


ひっくい声が鼓膜を震わせる。
耳元でしゃべるとか、生理的にムリ。ぞわぞわする。

えー、というか、私もファンクラブの一員なんですけど、一応。アンタの嫌いな。


そんなこんなを考えている内に
いつの間にか、幹部の方々は去っていたらしく、口とお腹にまわっていた手をはなしてもらえた。


自由って、素晴らしい。


「……手を離してくれても別に叫ばなかったから、早く離せば良かったのに」


龍崎から三歩くらい距離をとって言った。


こういうとき、女の子らしい子は
なんで密着!?
なんで、ドキドキするんだろう…。
とかなっちゃって、めくるめく、波乱万丈なラブストーリーが始まるんだろう。



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