輝り道‐ヒカリミチ‐
―――お墓につくと、

「水紅…」

そう、水紅が
来ていたんだ。


誰にも
会いたくなかったんだろう

こんな早朝にいるのだから。


「久し振り。水紅だよね?」

「…そうやけど。」

「来てくれてありがとう」

「…あんたに、話さなきゃいけないことがある。」

「うん。」

階段を下りたところにある
喫茶店を指差して
「あそこで待っとくから」
と、行って

下りていってしまった


「ママ、誰~?」
「友達~?」

「うん♪ママの友達だった人よ」
「ふ~ん」
「ベッピンさんね~」

「ね~。」


拝んで直ぐに
「じゃあ行ってくるから。
どっかで待っててよ。」

そう言って
喫茶店に向かう…




――カランカラン
「あ、こっち来て」

「…うん。」

「…奈々緒っち」

久しぶりに呼ばれた名前。

「うん」

「…ごめん。」

「…うん」

「琴ちゃんにもごめん。

間違ってたわ、

裏切ったのは
私やった

それと、
もう

わかってるんやと思うけど

私ね―――――」


“私ね、
当時
琴ちゃん殺した人の
彼女やってん

陽樹が居なくなってから
毎日、毎日、

違う男連れとってん


ストレス発散の相手は
奈々緒っち

でもな

いつも、おんなじ人
ってのも飽きて

いじめるのも飽きてん

ちょうど良いことに
私、その時の彼
しつこくて、面倒くさい人で
嫌いで…

だから、
言ってん、

如月琴理を殺って
って…

そしたら私は愛したるから
って…

本当にするなんて
思わなくて

ごめんじゃ
足りないけど、
本当に、ごめんなさい。”

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