誠-変わらぬ想いの果て-
―――家の中
「どこにいる?」
家の中は物が散乱していた。
おそらく、あまりの恐怖に気がふれたのだろう。
「あ、見〜つけた」
「………ヒッ!!」
寝室のベッドの上で毛布に包まって体をガタガタと震わせている女がいた。
こいつが、蠱毒を?
人間、分からんねぇ?
書類を見ても驚いたが、実際に目にしても驚きだ。
今まで奏の知る中で、ここまで強力な蠱毒を作る女は初めてだ。
いや、女が蠱毒を作ること事態が稀に見ることだ。
あの大蛇。
どうやって捕まえたんだろう。
奏は妙な所で感心していた。
「こ、来ないでっ!!」
「来ないでって言われてもねぇ?あなたの言うことを聞く義理はないし?」
奏は基本、女子供には優しいが、例外があった。
それは、この女のように、他人の不幸を願う女だ。
まぁ、せっかくの昼寝日和を邪魔されたという理由がなくもないだろうが。
奏は女の悲鳴じみた声を無視し、ベッドにさっさと近づいた。