かんぺきなあいつ。
あいつはものすっごい一瞬、
本当に分かるか分からないかの一瞬の間だけ泣きそうな顔になって
その場から逃げ出した―――――
――――――――――――…
「…上原」
「………」
「上原!」
「…?」
「上原柚木!」
「…?、…!?」
あ、れ?
…え?、あっ。
3年の校舎に戻ってる…。
「上原!次読みなさい」
「…?」
え?なんでそんな先生怒ってんの?
…読みなさい?
何を?
状況が全く理解できなくて何もしないでいると
教室はくすくすという小さな笑い声に包まれ始める。
「…もういいです、上原あんたは立ってなさい。じゃあ次、前の席の…」
稲葉、と担任が言おうとする直前にチャイムが鳴り
大場 敦子は目を伏せながら大きなため息をつき、学級委員に号令を促した。