金髪王子2

「栞、ケガは?」


高部先生に足を指さして聞かれ、私は首を振った。


「ちょっと膝をぶつけただけですから、大丈夫です。
さっきは、転んだのが恥ずかしくて立てなかっただけで……」


そう言うと、高部先生はふっと微笑む。


「そうか。
それであのパンチは、ちょっとやりすぎだったかもな?」


そう言われた大輔くんは、つと、先生から目をそらす。


「でも……、あざになってるかもしれないし」



あ、大輔くん、ふてくされてる。


なんかちょっと、かわいい。


こんな大変な騒動の最中だけど、ふとそんな風に感じて、少し緊張がとけた。

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