金髪王子2
なんかちょっとうれしいかも。
だったら、あのこともちゃんと伝えておかないと。
私は、大輔くんの目をしっかり見つめた。
「私が司書になりたいって思ったのはね、
大輔くんの言葉が、決めてだったんだよ?」
「え?」
意外そうに目を見開いた大輔くんに、微笑んで教えてあげた。
「覚えてる?
去年、文化祭実行委員になりたての頃、一緒に図書室に行ったこと」
「あぁ、栞が借りてた本を、俺が貸して欲しいっつって、ついでに図書室を案内してもらって」
「そう、あのとき。
あのときね、大輔くん、言ってくれたの。
『明日香って、図書室が似合うな』って。
大輔くんは覚えてないかもしれないけど、私、その言葉がすごくうれしくて。
それで、司書になりたいなぁって思ったんだ」