夏と幽霊とボロ屋敷の法則
幽霊と私
どれぐらい時間がたっただろう。叔母の言葉がふと思いだす。
「ユキちゃん、冷蔵庫にバーゲンダッツの入ってるから食べていいからね。」

バーゲンダッツ………それは高級アイスなのだ。

私は取り憑かれたのごとく行動する。
そして野生の感で、すぐキッチンを見つける。
バーゲンダッツソングを即席で作り、歌いながら冷蔵庫を開ける。
バーゲンダッツが1・2・3・4・5………………っっ6 六個もある。種類は様々あるがベーシックなバニラを手に取る。
口に手を運ぶ。
真珠の心を持った純白のミルクの味がする。

『シアワセ』
何か紅茶の入れた匂いもしてきた。
「おいしそうだな」「うん、だってバーゲンダッツだし」
「甘いのか?、」
「甘いよ。でもね、辛党の私でも食べれる控えめな甘さだよ。」

『あれ?私誰と話をしているの…………。』

「僕にも食わせろ。」

この屋敷には私だけ、そう理解すると一気に鳥肌がたった。
ヴヴギャー!!!化け物のような悲鳴を上げたのは私。
気づけは裸足で玄関の外に駆けでていた。スプーンを片手に。
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