今日も今日とて僕は僕をコロシます


小狐丸の両端を持つ。


「動いたら痛いよ」

指摘もそこそこに鞘を抜こうとし、――抜けない。


ああ、そうか。僕も甘いな。



“人間なんてみんな死ぬだろう?”



そう言い聞かせれば、短刀はすんなりと抜けた。


殺意が中途半端だった。


そういえば、あの人以外に女を殺したことはなかったなぁ。ただ単にそれは女性差別ではなく、僕に当たる獲物が男ばっかりだっただけ。


僕の殺人に男女は関係ない。あるのは殺しても良いか駄目かのみ。


この子は自殺志願者だ、だから殺しても構わない。


死にたい奴に死をあげるだなんて、死ぬほど喜ぶプレゼントでしかないからな。

お礼なんか要らない。死んでくれれば満足なんだ。


若いけど、女だから少しでもあの人のことが忘れられるかもしれない。


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