今日も今日とて僕は僕をコロシます
弁慶の泣きどころじゃなくて良かったが、足首を遠慮なく蹴られたために崩れた。
けんけんぱっ、なんて遊びで片足あげてジャンプして着地した時にバランスを失った感じ。
普通なら造作もなく、上手く立ち回ればいいが、慣れない袴のせいか踏ん張れなかった。横に倒れそうになる。
咄嗟に腕を伸ばして、壁に手をついた。三点着地……ではないが、倒れることはしない。
手をついた壁にはちょうど、掛け軸があったらしい。松の木と鷹の絵。
爪を隠さない鷹は今にも松の枝に飛び付きそうだった。
ぐしゃりと、松の枝を握ってみせる。
焦れったさがあった。いつも迅速に殺すから、こうして逃げられるのは歯がゆい。
逃げる獲物を殺す趣味はないが、ここまでした以上、やらなければ飛び火がくる。