今日も今日とて僕は僕をコロシます


「なに、興味本意だ。カウンセラーとしての。今までこの世界の殺人鬼と対話したことはなくてな。後学のために知りたいと思っただけだ」


「そのために殺人鬼を野放しにするんですか。罪深い人だなぁ、あ、でもそんな美人、僕は好きですよ」


好きと言われたからか、不愉快そうな顔をされた。……傷ついた。二秒で治る傷だけど。


「私は、私の目に入った興味と懇願に手を出すだけだ。仮にもお前が誰かを殺そうとして、殺される奴が助けを求めたら救うが、目に入らなければ、視野外のことにすぎない。

そこまで構っていたならば、私は全人類を救わなければならなくなるからな。したいができない。できないことを中途半端にやろうとは思いたくなくてね。万の命を散漫に救うではなく、十の命を全力で救う。これが私の真髄であり、お前の場合は私の興味に触れた。

ならば、私の知らないところで誰を殺そうが構わない。しかして、お前には最後まで付き合ってやりたいと思っただけだ」


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