月夜の天使
「じゃあ、瑞樹と須藤くんはずっと私を護ってきたの?」

「加奈、君の能力は不安定だ。男性に生まれれば強大な力が得られるが、女性の君は力をコントロールしきれず、能力に目覚めるのも時間がかかる。だから、俺と瑞樹は常に君を見守ってきた。何百年も前からね」

十夜が淡々と答える。

だがその瞳は相変わらず熱を帯びていた。

「完全に目覚めることができれば、力をコントロールし、前世の記憶も甦らせることができる」

そこまで言って十夜はちらっと瑞樹を見た。

「そして、目覚めきれていない君は10歳の時、能力をコントロールしきれず、父親と事故に合った」

な・・・に?

事故?お父さんは交通事故で亡くなった。

確かにあのとき、私も車に乗っていた。

なにか不思議に体が熱かったのを覚えてる。

でもそのあとの記憶はない。

気づいたら病院で父は亡くなっていた。

私のせいなの・・!?

10歳の時までの父の記憶をたぐり寄せる。

父の一番最後の記憶は、車の運転席から後部座席の私を振り向いて心配そうに眉を寄せた顔だ。

加奈の足がガクガクと震えだした。





< 32 / 201 >

この作品をシェア

pagetop