僕の鏡
『悪いけど今遊んでる時間はないから遠慮しとくよ』


君たちと遊ぶ時間にいったい何冊の参考書で勉強できると思っているんだ。



『わかった。でもたまには遊んで気分変えたほうがいいぜ。』


『考えとくよ』

『それじゃあまた明日』


片岡は僕に笑顔で手を振りながら教室を出ていった。


僕も今日は野球部は休みなので帰ろうとしたときに声をかけられ足がとまった。


『中村君って夏休みとかなにか用事ある?』


この眼鏡をかけた女は、ぼくのクラスの委員長の小田奈々、成績は学年で5番だ。


『夏期講習以外はとくにないよ。でも部活もあるから忙しくてわかんないなぁ』


まだ夏休みにもなってないのに気がはやい女だと思った。


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