愛して。【完】
でも、蓮は気にする素振りも無く、あの幹部クラスしか入れない部屋へと続く階段を上がると、下にいる面子達を見下ろした。
あたしはその蓮の横にいて、あたしの逆隣りには、隼。
後ろには大河、颯、タカがいる。
蓮が見下ろすと、少しざわついていた倉庫がシーンと静かになって。
やっぱり、総長なんだと実感した。
静かになった面子を見て、蓮は話を始める。
「今日は、お前らに話があって収集をかけた」
そんな蓮の言葉に、倉庫内は少しざわつくが、すぐに静かになる。
「お前等、この女……水川真梨のことは知ってるだろ」
蓮がそう言うと、一番前にいた、面子の中で一番上の立場であろう少し子供っぽい、赤の髪の毛をした子が口を開く。
「蓮さん、知ってるも何も、その女は俺等が一番嫌いな女ですよ!!」
正直に言ってくれた赤髪くんに、笑みが零れる。
ハッキリ嫌いって言ってくれて、逆に良かった。
その方が、ここを出て行く時に何の思い入れも無く出て行けるから、助かる。
でもね…今のあたしには、帰る場所が無いんだ。
家も何も…親でさえ、あたしはいないの。