レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
だけど彩花さんは、それが問題にならないのは、「ただ音楽に真剣なだけだから」と言った。
「妥協したくないのよ。あの子。口が悪いから、それをストレートに相手に伝えすぎるのよね」
「…確かに、ストレートですね」
「それにあの二人、タイプは違うけどなんだか雰囲気似てない?」
彩花さんの長い指が、しょーごさんとアキトを交互に示した。
あたしも二人の横顔を見比べる。
髪の色も、顔立ちも、声も、全然違うけど。
…どっちも譲らなさそうなタイプというか。
クール系の美形だけど、結構頑固でわがままなところというか。
――確かに。
「…ちょっと似てますね」
「でしょ。うまくやれば仲良くなれそうなのよね。ただあたし、アキトのことがいまいちよく分からないのよ。まだ会ったばかりだしってのもあるけど」
彩花さんは頭の後ろの手を下ろして、「だから」と大きく伸びをした。
「チアちゃん、お願いね」
「…はい??」
きょとんとするあたしに、彩花さんは口元に人差し指を当てて可愛い仕草を取る。
…残念ながら、あまり、似合っていない。
「あの4人を管理するのは、あたしよりチアちゃんのほうがうまいはずだから」
「そ、そんなことないですよ…!しょーごさんなんか、完全にあたしを邪魔ものだと思ってますから!」
「素直じゃないのよ、あいつは」
もう一度ステージに目を遣った。
やっと、演奏を再開させる。
しょーごさんとアキトのソロセッションが終わって、歌に入る。