レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
しょーごさんはしゃがんで、ワタルに目を合わせた。
強くて挑戦的で高慢で…
それでも優しさを持つ、あたしの大好きなあの目だった。
「俺たちを脅したのも、チアを傷つけたのも、正直許せない。出るとこ出たら立派な犯罪だ」
「…わかってるよ。だからさっさと通報したらいいだろ」
「それでもまだ、今なら間に合うんだ」
――…♪
ケイくんのキーボードの音がかすかに聞こえる。
心を落ち着けるような、柔らかく包み込むような音。
やがてそれも止んだ。MCに入る。
「…あと7分だ」
あたしの首にタオルを当てたまま、アキトが小さな声で呟いた。
「今ならまだ、間に合うんだよ」
しょーごさんは力を込めて、まっすぐとワタルを見つめて言った。
ワタルが目を伏せる。
「…無理だ」
「林田のおっさんはな、お前が山村タケルの弟だって気付いてた」