レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
拳を握り締めて、立ち上がる。
美沙子が「は?」という顔をしてあたしを見上げた。
「なににせよ、芸能事務所に入ったことは事実!しかも有名どころ。
雑用だろうがなんだろうが、とりあえずあの人たちにくっついてれば、そのうちオイシイ話が転がりこんでくるかもしれないじゃない! いや、絶対にそうよ!!」
ふっふっふ。
考えただけで笑いがこみ上げてくる。
よだれが出そうになる。
…林田さんはだめでも、有名なプロデューサーに拾ってもらえるかもしれない。あたしの才能を見極めてくれた誰かに。
「やれやれ、ほんっっとにポジティブだね。折り紙つきの」
美沙子は頬杖をついて、苦笑いした。
「…で、あと1人は?」
「何が?」
「バンドにはあと1人、いるんでしょ」
それを思い出して、あたしははぁと肩を落とした。
考えると頭が痛くなる。
「それが、決まんないのよ」