レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
林田さんにタックル。
…しようと思ったけど、ひょいと避けられて、自分がデスクに激突。
――ガンッ!
「いった!!」
膝から崩れて黒縁眼鏡が床に落ちる。
眼鏡を拾って、壊れるぐらいに強く握りしめた。
林田さんたちに背を向けてしゃがみ込んだまま、唇を噛みしめる。
「お、折れるものですかっ!!
……こんな…バカにされっぱなしで…」
――君、才能ないよ。帰って。
―――だからママ、言ったでしょう。チアは芸能人になる器じゃないって。
――――マジでアイドル志望だったのか。へぇ…
目を閉じれば、いろんな言葉、場面が頭の中をぐるぐるする。
数日前の、雨の音が鳴り響く。
それと同時に林田さんの声。
―――――俺の見込み違いか。
そして、あの挑戦的な眼差し。
―――――俺を見つけたのがお前だなんて信用できない。
ばっと立ち上がって、勢いよく振り向く。
同時に眼鏡をかけ直した。