レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
って。
…そんなことより。
ノンストップで暴走する車。
シートベルトをしていても、たまに体が窓に打ち付けられそうになる。
アキトもなにげにしっかりと、ベースを抱えている。
「どこ行くんですか?」
「愚問だな。やっとベース揃ったんだ。やること一つしかないだろ」
んなこと言われても、わからん。
この人は意地が悪い。
それ以上は何も教えずに、鼻歌なんて歌い出した。
「最近、しょーごとケイの曲作りが順調でな」
なんて彩花さんに言ってるところを見ると、きっと未発表の新曲なのだろう。
「…あのさ」
「はっ、はい!?」
横から話しかけられて、声が裏返る。
すぐ右隣の、イケメン。
吐息がかかるほどに近くて、思わず窓際に後ずさった。
「…おい。そこまで驚かなくても」
呆れられるけど、彼氏とは無縁だった17年間、イケメンへの免疫はゼロに近い。