レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
あたしはなんとか笑顔をつくって、「な…なんでしょうか?」と返した。
「無理して笑わなくてもいいよ。むしろ怖い」
「うっ…」
「悪かったな。さっきは」
へっ?
まさかそんなことを言われるとは思わなくて、間抜け面になる。
アキトは表情を変えずに前を向いたまま続けた。
「俺自身、まだよくわからないんだ。あいつらに対する罪悪感もある」
「…」
「よく、あったんだよ。スカウトまではなかったけど、俺だけが褒められたりすんの」
淡々と話すから、自慢には聞こえない。
あたしはその横顔を見つめてしまった。
クールだけど、少し寂しげな。
「俺、高校行ってなくて、ダンススクールとか通ってたから、あんまり友達いなくてさ。
情けないけど、中学んときのあいつらぐらいしかいなかったんだよね」
林田さんは彩花さんと話している。
後部席は、完全に別の空間だった。