レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
才能も立場も全然違うけど、
少しだけ境遇が似ている。気がする。
「ダンスもできるんですね」
「好きだったから。ベースと同じくらい」
確かに、長い手足が映えそうだ。
クールな顔立ちだから冷たい印象を与えるけど、笑うと少し優しくなる。
少し慣れたのか、さっきよりも、雰囲気が柔らかくなった。
「アンタ…"チア"だっけ?高校生?」
「あ、一応。はい。通信制ですけど今2年生です。17歳で」
「17か。それより幼く見えるな。
最初はまさか芸能事務所の人間だなんて夢にも思わなかったし」
アキトにそう言われて肩をすくめたとき、車が停まった。
着いたのは立派なビル。
車を停めてくる彩花さんを残して、三人でビルの中に入っていく。
受付の美人のお姉さんに林田さんが入館カードを見せて、あたしたちは後に続いた。
エレベーターに乗り込み、17階を押す。
「久々に胸が踊るねぇ」
林田さんがハードボイルドな笑みを浮かべた。