君がいたから
そんな一つ一つの動作が
酷く可憐で、トクンと小さく心臓がはねる
「蒼良 上総(アオイ カズサ)って言います
学年は2年生です」
彼女はそう言ってから
にこりともう一度微笑む
「あなたの名前も教えてもらっていいですか?
あ、それと私の事は上総って呼んでください」
ウインクをして
彼女・・・いや、上総は俺に向かって言葉を発した
「オレは永美 青(トミ アオ)同じ学年だよ」
傍にあった黒板に
漢字を書いて名乗る
「永遠に美しい青か・・・いい名前ですね
今度私の歌の歌詞に使ってもいいですか?」
「え、あ・・・うん。いいけど
あの唄って、上総が創ったのか?」
俺がそう質問すると
上総は少し恥ずかしそうにはにかんで
小さく首を縦に振った
・・・かわいいな
そう思うと自然と口元が緩んだ
上総はそんな俺に気付いて
「何か変なところでもありましたか?」
と、机を叩いて問いかけてくる
「ううん。変じゃない
すごく・・・キレイだったよ」
俺がそういうと
上総は「ほんとですか?ほんとですか?」と言って
俺の顔を覗き込んできた
子供のように見える彼女の仕草に
俺は必死に笑いを堪えながら
「ああ、ほんとうだ」と答えた
「じ、実はですね・・・初めて同年代の人に唄を聴かれまして
すごく緊張していたんです」
「でも、上手かった」
「あ、有難う御座います」
あ、照れた
顔が真っ赤だ
可愛いな