夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
「どうしたの?」

その質問に答えるのに、矢口は数分を要した。

何度か目の、中林の

「ねえったら…。」

の後に…。

「中学…卒業と同時に刈江に引っ越すんだ…だから…ここには来れない…。」

と、答えるのに。

「そ、そうなんだ…。でも3月ならある程度、ここも芽吹いていると思うよ…。」

明るめな声で、中林は言った。
< 206 / 214 >

この作品をシェア

pagetop