大学生、それぞれの恋愛
「中津くんか…。
香耶です、よろしくね」
「三波でいいよ、よろしく」
そういって笑う三波くんは当たり前だけど太一には似ていなかった。
太一を探して、私は太一に似ているところを誰かに求めようとしているみたいだ…。
太一の服装とは全然違う三波くん。
太一の声とは全然違う三波くん。
太一の髪型とは全然違う…太一とは全然違う…。
わかっているけど、なぜかすごく悲しくなった。
あぁ…私は全然忘れれていないんだな、て。
「香耶ちゃんは合コン初めて?」
グラスを見つめる私に三波くんは尋ねた。
「うん初めて。
だからどうすればいいのかわかんなくて」
はは、と笑う私に三波くんは、じゃあ…と一つの提案をした。