大学生、それぞれの恋愛


明るめの茶髪、チェックのカッターシャツの後ろ姿を黙って追った。

きっと行く場所なんて考えてないんだろうな。


…じゃあ、2人で抜けよ?

三波くんに連れ出されて、私は街を歩いた。

ふらふらと歩いては、キョロキョロとする三波くん。
お店を探しているみたいだ。

「あ、あそこ入ろうよ!」


茶色のレンガに緑色の屋根の喫茶店。夜だからか、外のテーブルには人はいない。

三波くんの提案した喫茶店に2人で入る。

店内は私たち以外に2、3人しかお客がいなくて静かだ。


「好きなところどうぞー」

店員さんの案内なしで、私たちは窓側のテーブルを選んだ。

みんなでいたお店は暗くてよくわからなかったけど、明るい店内で真っ正面に座っている三波くんの顔をじっくりみると、
なかなかのイケメンさんであることがわかった。
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