大学生、それぞれの恋愛
寒さからだろうか、いつも以上に小さくなって、マフラーに顔を埋めている。
ときより携帯で時間を確認しているみたいだ。
「香耶…待たせてごめん」
俺から近づいて声をかけると、香耶はパッとこちらを向いた。
「太一…」
待ってないよ、て香耶は小さく笑った。
「歩こ?」
香耶は俺に言うと、俺の一歩前を歩きだした。
いつも待ち合わせには少し遅れてきた香耶。
俺は時間にルーズな香耶が嫌になって、香耶にひどいことを言ったりもした。
なんであんなこと言ったのか、なんでそんなことだけで嫌になったのか…。
「今日寒いね、寒かったからマフラー巻いてきちゃったよ」
「うん…」
「今からコートまで出したらさすがに冬乗り切れない気がしたからやめたけど」
「うん…」
俺は返事しかできなかった。
いつも話すのは香耶で、俺はそれを聞いていた。
もともと俺は話すのが得意なほうではないから、香耶に話は任せっきりだった。