大学生、それぞれの恋愛

寒さからだろうか、いつも以上に小さくなって、マフラーに顔を埋めている。


ときより携帯で時間を確認しているみたいだ。

「香耶…待たせてごめん」

俺から近づいて声をかけると、香耶はパッとこちらを向いた。

「太一…」

待ってないよ、て香耶は小さく笑った。


「歩こ?」

香耶は俺に言うと、俺の一歩前を歩きだした。



いつも待ち合わせには少し遅れてきた香耶。
俺は時間にルーズな香耶が嫌になって、香耶にひどいことを言ったりもした。

なんであんなこと言ったのか、なんでそんなことだけで嫌になったのか…。


「今日寒いね、寒かったからマフラー巻いてきちゃったよ」

「うん…」

「今からコートまで出したらさすがに冬乗り切れない気がしたからやめたけど」

「うん…」

俺は返事しかできなかった。
いつも話すのは香耶で、俺はそれを聞いていた。
もともと俺は話すのが得意なほうではないから、香耶に話は任せっきりだった。

< 40 / 59 >

この作品をシェア

pagetop