大学生、それぞれの恋愛
帰りの電車の中。
私は辺りをキョロキョロと見た。
…いない、か。
当たり前だけど、なんとなく悲しかった。
忘れる、なんて言っても私は太一を忘れられていない。
その証拠に電車に乗るたびに同じ電車に乗っていないか、なんて周りを見ながら確認してしまう。
…本当は会いたいんだよ。
偶然でいいから会いたい。
それだけのことを考えて、私は我に返り、はっ とした。
いけないいけない、忘れようという努力さえできていない、て気付いた。
忘れなきゃ、て思わないといつまでも引きずりそうだから。
…合コン参加しようかな。