嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-
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放課後、
足早で家路を歩いていると、
川原で遊んでいる小学生が視界に入った。
「貧乏!!!」
橋の下から
大声で罵る言葉が
耳に飛び込んだ。
目を向けると、
一人の男の子が
4人の男の子にランドセルを揺らされ、
地面に倒れると
足で頬を踏まれていたのだ。
河原の小石に
頬が擦られ、
痛々しい表情を浮かべている。
……ぇ??
言葉を失った。
いじめに合っているのは、
見慣れた
黄色のトレーナーに
色あせたグレーのズボンを穿いた
健太だった。
他の子より、
背の低い健太は、
蹴られながら苦しそうにお腹を押さえている。
「お前の家、貧乏なんだ!!汚ねぇぇ!!」
「こいつ、マジ臭せぇ!!」
暴言と共に、
容赦なく蹴りを入れる男の子たち。
「ちょっと!!!何やってるの?!」
私はすぐさま、橋の上から叫んだ。
一斉にこちらを向く男の子たち。
「やべぇ!」と一人の子の声で、
他の子も走り出した。
「健太!!!大丈夫!?」
急いで川原に下り、
倒れている健太を抱きかかえた。
「……健太??」
「………」
健太の頬には、また泥が付いていた。
……あ!昨日も。
サッカーをやってきたと言う健太を思い出した。
昨日もこんな風にいじめられていたのだろうか。
間近で見ると、
スパイクの跡が生々しく残っている。
私はカバンを置き、
うずくまっている健太を抱き締めた。