また明日
「はい百合子です。」
「やっと出ましたね。明日会いましょう。」
「嫌です。そんなことしてどうするのですか?」
「あなたに会いたいんです。もっと話をしたい。お願いです。」
不思議な人です。わたしと何を話すのでしょう。
「ではどこに何時ですか?」
「中央公園に三時。」
「分かりました。切りますよ?」
「じゃあさようなら。」

二時半に着きました。早く着きすぎましたかね。退屈です。どこかにいるのではないかと辺りを見渡しました。
いました。きっとわたしよりも早いです。

「まーさん!」
「百合子!早いじゃないですか。」
「まーさんの方が早いですよ。」
「そうですかね。喫茶店にでも行きましょう。」
「はい。でも何を話すのですか?」
「あなたを知りたい。もっともっと。」
「はい?まぁとにかく行きましょうか。」
「うん。行こうか。」

背が高いせいかまーさんは歩くのが速い。着いていくのが大変です。
「君、歩みが遅いね。」
いきなり冷たくなる。
「まーさんの足が長いんです。わたしは背が小さい。しょうがないのです。」
「じゃあ一緒に。ほら。」
そういうとわたしに手を差し延べた。繋ぐべきなのかしら。
「ありがとうございます。」
温かい手。
「あなた手が冷たいですね。僕が温めてあげましょう。」
周りから見たら恋人同士に見られるでしょう。もしそうであったらわたしは今すぐここから逃げたい。

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