また明日
着きました。この前と同じ場所です。
「コーヒー二つね。」
この前と同じ。

「あなた、将来は何の職業に就くつもりだい?もう卒業する歳じゃないか。」
「本に関わる仕事がしたいです。本が好きなので。」
「じゃあ僕が勤めている出版社に勤めないか?」
勢いよく身を乗り出した。恥ずかしい。周りの人達がみんなこちらを見ているじゃないですか。
「座ってください。周りの方に迷惑です。落ち着きましょう。ね?」
「すみません。入りませんか?僕の会社。」
「もしかしてあなたそれが目当てでわたしを呼んだのですか?ひどいです。」
「違うに決まってるじゃないか!まぁ頭の片隅に入れておいてくださいね。」
「分かりました。」
まーさんといると何かと腹が立つ。
でも最初に会った時よりは馴れてきた。

まーさんはわたしに質問攻め。わたしに好意を持っているのかしら。
「あなた家まで送ります。車を用意しますから。」
「用意ってどうやって?」
「僕には執事がいます。その人に頼みましょう。」
「ではよろしくお願いします。」

しばらく外で待っていました。
わたしは思いました。家まで送ってもらったら、家が知られてしまいます。嫌いな人に家を知られたくありません。まーさんだと家に来てしまいそうで。不安でした。

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