Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~
───前々から予感はしていた。

ウィラ「ん?何?何故こんなことができるのかって顔ね。いいわ。教えてあげる」

悪い予感がサラを襲う。
男達を殺した時、一人だけ"残った"男。殺したのはサラではない。

ウィラは月を背に、白く美しい肌に亀裂が走ったように微笑む。





ウィラ「……私は、あなたと同じ眼を持つ、あなたの双子の姉よ」





事の始まりは、病院側のミスとされていた。
アメリカ・カリフォルニア州のヴァゼロット病院のカール医師は、ある双子を出産した母親のカルテを見ていた。

カール「何だこれは……?」

カールはカルテにある母親の出産の手術には立ち会えなかった。
別の緊急手術が入ったのだ。
手術を終えた後、その母親の出産に立ち会った医師全員が謎の変死をとげた事件を聞いた時は愕然とした。
一体何があったのか……。
カールは急いでその母親のカルテを調べるのだった。

カルテには出産直前のレントゲンの結果も記載されていた。
だがしかしレントゲンを撮った際に、母親の胎内に写った胎児の数は、酔ってでもいない限りどう見ても一人。

しかしカルテには双子を出産とある。機械の故障であればやむなしと思われたが、調べてみるとレントゲン用の機械に異常は無かった。

出産直前は一人だったのに出産後は双子……。
こんな馬鹿な話があるだろうか?アメーバのように分裂したとでもいうのか。

カールは色々考えを巡らせていたが、この後もその妙な事件については、あまりに不可解な点が多いため、『機械の故障』で後日処理されることとなった。





激情が遡る。

疑惑はわずかな確証となり、怒りに手が震える。
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