Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~
放っておいてほしかった。

肩をどつかれる。

煩わしかったので娼婦の片腕を砕いた。もちろん、娼婦には触れずに。

片腕を砕かれた娼婦が断末魔をあげる。

飛び散った血が服に付着するのが嫌だったので、サラはその場を後にした。

しばらく歩いても色街は続いた。

歩いている途中で2人の若い青年に声をかけられる。

「ねぇねぇ、千でどお?」

意味がわからなかった。

「そこのホテルでさぁ、3人で楽しいコトしない?」

サラ「……楽しい……コト……」

「そう!楽しいこと!」

どうでもよかった。

今のこの鬱な気持ちを晴らすことができるものがあるのなら、それにすがりたかった。

知らぬ間にホテルの部屋に連れて行かれる。

部屋に入ってまず目につくのは朱いシーツを敷いた大胆で派手な、4人は寝れる大きいベッド。

右側にはこれまた部屋の上から下まである大きな窓を覆う大きな紅いカーテン。
床には立派なベロアのカーペット。左側には何故か外から中が見えるシャワー室があった。

「マジかよ。この娘凄い可愛いな!」

「だろ!?ちょっと薄汚れてるけど、ルックスは最高だぜ!」

背後で2人の青年が何やら興奮しているが、とりあえず疲れを癒すためにベッドに腰掛けた。

すると、青年の1人はおもむろに来ていた派手な柄シャツを脱ぎ始め、もう1人はベッドに飛び乗ると、サラの背後へと近付いて来た。

「さ~、怖くないからね~」
< 48 / 90 >

この作品をシェア

pagetop