Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~
が、しかし、すぐさま破片を投げ捨て、素早く後ずさって自分のしようとしていた行動に恐れを覚え、目を見開き頭を抱えて怯えるのだった。

───何をしている!?

頭の中で自分という声の主が言葉を響かせる。

あんなにも死を怖がっていたのに。

たくさん死を見てきたのに、それと同じようになろうというのか。

───嫌だ。

でも。

私はもう、生きていてもしょうがないのに生きようとしている。

生きていく目的も無いのに死ぬのは怖いと思っている。

行き場のない思いが胸の中で右往左往する。

今自分の中に芽生えている矛盾にサラ自信が苦しんだ。

そしてふと思いつく。

何故自分はこんな所にいるのか。幸せな人生をおくるために生まれたはずが、いつの間にか不幸な人生を歩んでいる。

どこで歯車が狂ったのか。

これまでの人生を思い返してみる。

心あたりはない。

───考えてはいけない。

別の声がする。でももう遅い。

そういえば、気付けばこんな眼を持っていて、気付けばいじめられていた。

だとしたら、自分の人生に過ちがないのなら、歯車が狂ったのは生まれる前。

そう考えると、自ずと答が出た。

母親が、モリーが悪いのだ。
勝手に自分を産み、こんな眼を持たせ、せめてもの罪滅ぼしにとサラを育てあげた。

そう思った途端、サラの両目から大粒の涙が溢れ出してきて、夜の冷たいアスファルトへと落ちた。

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