Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~
驚きよりも疑問が勝り思わず口を割って出た。

サラ「どっ……どうして知ってるんですか!?」

カラオケサークルに強引に勧誘されたことが気付かれ、勉強に支障がでたらマズイと思いストリクトには黙っていたサラだったが、まさか一番バレたらいけない相手が知っているとは思いもよらなかった。

ストリクト「何を今更……。顧問であれば知っていて当然でしょう」

サラ「ああ、そうですか……
ええっ!?」

もっとびっくりした。
多分今度は肝臓が飛び出す。

ストリクト「あら。ナタリー達は話していませんでしたか?」

サラ「初耳……でした」

ストリクト「そうですか」

軽く受け流したストリクトだが、サラの方はいまだ崖っぷちにいる気分だった。

何故なら、部活動の都合上、一つの授業には偽りの欠席届けを書かなければならなかったし、一つの授業ではサボらなければならない時だってあった。

もちろん全てストリクトの目を忍んで、ストリクトが出張の時などに起こった出来事である。

しかし顧問ならば今までのサラの違法を知っていてもおかしくはない。

すぐにでも雷どころか隕石でも降ってきそうな雰囲気に似つかわしくない言葉がサラに浴びせられた。

ストリクト「それにしても貴女には驚かされましたよサラ。
私が教えてきた生徒の中には成績も良く、大成功を収めた生徒もいましたが、たった三ヶ月でここまできたのは貴女が初めてです。
ああ、もう半年でしたね」

細かいことをいちいち思い出すのもストリクトの性分の一つだった。

ストリクト「私が教えた生徒が優秀に育ち、成功を手にした後でこう語る『今の自分が在るのストリクト先生の教えのおかげです』と……。
私にとってもそれは実に鼻が高くなり自慢できることです」

実に。
実にとんでもないことをストリクトはサラリと言ってのけた。

つまりアレか。
この人は。
自らが優秀に育て上げた生徒が自分を褒め称え、自分の名を磨いてくれることが唯一の喜びだというのか。

自作自演……ですらない。
この途方もない一見無駄にも思える計画は、実のところ上手くいっていた。

社会的に成功した人物の二%はストリクトの教育を受けた生徒であり、彼らはそれを誇りに思い、公に発表している雑誌も多々あるという。

何という。
何ということか。
自らが育てた生徒に自らの名を磨かせる。
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