Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~
【Shwer The Moon Light】
作詞・作曲:不明
歌:不明



照らし出す 宵の月
せめて私を避けていて

太陽は全てを照らすけど
月は今夜 私だけを見る

涙は涸れ果て 闇に消えゆく
寂しさを忘れたくて 孤独を願った

なにもかも失って 
なにもかも壊した後
答えは無かったけれど ただ切なさ故に受け入れた

大切なもの たとえ消えても
心に残ると信じていた
だけど今の私には 月の光でさえ痛々しくて

優しくて 大好きで
そのぬくもりを忘れずに

貴方と過ごしたひととき
幸せでした 愛おしくて

私は貴方の 重荷だった?
ずっと傍にいたくて 永遠を祈った

腕の中抱きしめられた
ただとても嬉しくて
水面から掬い上げた 両手の月を貴方に贈った

瞳に映るもの この悲しさは
誰にも理解できない
消えてしまいたくて 貴方のいない世界 何の意味もない







突如会場全てが静寂と闇に包まれる。
同時に後ろで弾いていた楽器の音も消えた。

突然のハプニング。
照明は消え、音や歌を拡散させていたステレオからのメロディーも途絶えてしまった。

混乱する会場。

いきなり故障してしまった機材を、裏で運営委員が必死に直そうとしていたが、まだ時間がかかりそうで到底間に合いそうになかった。

カラオケサークルの皆もどうしていいのかわからないようだった。

突然の事故で会場全体が戸惑っていた時だった。

澄んだ声が騒ぎを起こしかけていた観客を鎮める。

マイクも何も働いていない状況で、ステージにいたボーカルの少女は歌っていた。

それと同時に、雲間から顔を覗かせた月の光がステージ上に差し込み、スポットライトの役を果たしていた。

照明も、何一つ明かりの点いていない会場で、ただ一箇所、ステージで歌う少女のみがほんのり輝いて見える。

歌は会場の隅々までいきわたり、観客達の頭に直接響くようにはっきりと聞こえた。

歌っている。

楽器による演奏もないのに。

プロの歌手でもないのに。

誰も反応できなかった非常事態に。

その少女は何事もなかったかのように。

今まで以上に潤った美声で。

夜空に届く、月の歌を……。

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