Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~
叫ぶだけ叫び、飲むだけ飲んだ後、やはり皆も疲れていたのか、いや、間違いなく騒ぎすぎだろうが、とにかく、貸し切った宴会の席で、起きているサークルメンバーは一人もいなかった。

学園祭の後片付けも終わって、ようやくいつものフランクフルト大学へと戻ったその数日後、生体医学の演習を行っていたサラにストリクトからすぐに自分のもとへ来るようにと連絡が入る。

大学内でストリクトの研究室を何度か訪れたことのあるサラは、迷うことなくストリクトの研究室のドアの前まで来て、ドアを軽くノックした。

ストリクト「お入りなさい」

部屋の中からストリクトの声が聞こえる。
一体何の用だろうと思いながらドアを開ける。

サラ「失礼します。何でしょう?ストリクト先生」

ストリクトは相変わらず眼鏡をかけて、仕事の書類に目を通している。

殺伐とした部屋。
窓一つない、あくまで仕事を重視した機材などの配置は部屋の主の性格を物語っている。

ストリクト「お座りなさい」

サラは言われた通り真正面に置いてある椅子に腰掛ける。

ストリクトは見ていた書類を手放し、デスクの引き出しから別の書類を引き出した。

トントンと机で書類を整理しながらストリクトは話し出す。

ストリクト「さて、受けてもらった検査なのだけれど……貴女のその眼は、憎しみという感情で変化し、どのような状況でも対象を破壊することができる。……確かね?」

サラが受けた検査結果の書類をめくりながら、眼鏡の奥からストリクトはサラを見つめる。

学園祭が終わり、サラはストリクトの言う通り検査を受けた。

ストリクトの紹介でサラは、ドイツの有名な病院で検査結果は秘密裏にするという条件で極秘に精密検査を受けた。

受けたのは眼を使った実験じみたものが大半で、こんな検査が何の役に立つのかと思いながらも、サラは次々と検査を受けた。

サラ「はい。目隠しをしたりしても可能です。後は、対象を憎むだけで……」

するとストリクトは書類を机の上に置き、眼鏡を外し、ため息混じりの言葉を発した。

ストリクト「そう……これは検査の結果とは関係なく、あくまで私の推測だけれど……貴女の眼の能力は『対象範囲の選択』だと思うのです」

サラ「対象範囲の……選択?」

対象範囲の選択。

マウスで画面の中の対象のフォルダや行をクリックしてドラッグすると、選んだ部分のみが選択されるように、どうにかしたい箇所を選択する。
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