Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~
ストリクト「そうです。人間以外の対象でも破壊することが可能なのは結果を見せてもらいました。
さらに貴女は幼い頃、テレビの中のニュースキャスターを殺すことができたとか」

サラ「……はい」

ストリクト「つまりこういうことです。
例えば複数あるリンゴを破壊する場合、全てのリンゴが破壊されるわけではなく、ただ単に選んだ一つのリンゴが破壊される。
二つ選べば、選んだ二つの林檎が、
五つ選べば、選んだ五つの林檎が破壊される。
また、その際の距離は関係なく、地球の反対側にあるリンゴですら憎しみの対象ならば破壊することができる」

それは───何者であろうとどんな魔法を使おうと。

決してサラの眼からは逃れられないことを指している。

サラ「……そんな……ことが……」

ストリクト「できるはずです。あくまで、推測ですが」

サラ「…………」

サラ自身自らの眼の能力など、憎しみで発動する無差別破壊兵器ぐらいにしか考えておらず、まさかそれに付加能力があるとは思ってもみなかった。

ストリクト「そして、確かにその破壊力(スキル)は恐ろしいですが、もう一つ恐ろしいのは対象を破壊した”後”です」

ストリクトは真剣な眼差しでどんどん続けた。

ストリクト「貴女の眼の破壊パターンは破裂(バースト)ですが、憎み方によっては切り刻んだり押し潰したり、完全に消し去ることも可能……ですね?」

サラの脳裏に今まで殺してきた人達。
ウィラに受けた傷。
破壊してきた物が蘇る。

サラ「……はい」

ストリクト「なるほど。便利ですね。料理をする際に。
包丁やミキサーなど節約できますね」

……こういう事を真顔で言うところがやっぱりこの人の恐ろしいところなんだなぁ、と、しみじみ思うサラだった。

ストリクト「もしやと思い試してみましたが、検査の過程で行った実験用のモルモットを”傷つける”だけの実験を覚えていますか?」

サラ「あ、はい……」

実験用とはいえ、小さくて可愛いモルモットを眼で傷つけることに、とても気が引けたサラだが、物凄く小さい傷だけならと思い、少し見ただけでは全然分からないほどの、切り傷のような小さい傷をつけた。

ストリクト「まあ実験結果……もとい、検査結果はこの日のために貴女には内密にしておいたのですが」

実際サラは検査を受けただけで、その結果は聞かされていなかった。

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