xxxFORTUNE



周囲に気を配りながら歩く。

不思議と、怖い感じはしなかった。


こんな時、誰かが近くにいてくれたら相談できるのにな。


再び一歩前進した瞬間、よそ見をしていたあたしのせいで誰かとぶつかった。


「ごめんなさいっ」

慌てて謝ると、あたしよりも背の低い男の子が大丈夫ですと、はにかむ。


片手には小さな小さな花束。

歩き出すそのコを、思わず呼び止めてしまった。



「ねぇ、四つ葉のクローバーってどこにあって、どんな色や形をしているの?」

いったい何を言っているのか。

きっと、そう思われてるに違いないわ。


きょとんとした表情の後で、男の子は笑顔を向けてくる。


「緑色で、ハートが四つくっついたような形をしてます。
草が生えるような場所なら、どこにでもクローバーはあると思いますよ」


でも、と付け足しさらに説明。

「四つ葉は10万分の1の確率でできると言われてます。
刺激があるとできるので、人の通りが多いところのが見つかると思います」


楽しげにそう語る姿を見ていて、あたしまで笑顔になる。


「ありがとう」

お礼を告げて、早足に四つ葉のクローバー探しを開始した。






< 260 / 300 >

この作品をシェア

pagetop