xxxFORTUNE
驚いた瞳が、お互いを映し合う。
あたし以上に、相手はびっくりしているみたいだ。
騒音なはずの雨音が、驚愕して無音にさえ感じてしまう。
「なんで……」
「あたし、あなたのお兄さんと知り合いで」
あたしからも、里斗くんからも、一瞬で笑顔が消えた。
「お姉さん、兄ちゃんの彼女?」
「いいえ、そうじゃなくて」
一緒に住んでるだけ。
でも、そう言うには誤解を招いてしまいそうで。
「友達よ」
告げてから、小さく微笑んだ。
そうですか、と呟く里斗くんは俯いたまま。
覗き込むように屈んで目線の高さを合わせてから、あたしは口を開いた。
「里音は、あなたに謝りたいって言ってたわ」
心が落ち着きを取り戻したのか、頭の中が冷静に整理できたのか、雨音がまた鼓膜を揺らす。
「ねぇ里斗くん、あなたは幸せ?」
そっと尋ねると、彼は顔をあげる。
「別に、兄ちゃんを恨んでるわけじゃないんです」
真っ直ぐな眼差し。
「兄ちゃんを選んだ母ちゃんを恨んでるわけでもない。
ただなんとなく、罪悪感があって」