xxxFORTUNE
恋千くんの立場が、最近可哀想に思えてくるのはあたしだけ?
というか、あたしが寝込んじゃったから、代わりにみんなが料理してるのね。
佐久間さんが、フライパンがナントかって言ってたけど大丈夫かしら。
だんだん不安になってきちゃった。
「それにしても、また愛琉さんに助けられちゃったわね」
確か、黒猫──鈴を探して学校に行った時もそうだったっけ。
窓から落ちかけたあたしを、助けてくれた。
「でも、どうして場所がわかったの?」
「そんなの、気配を───」
「気配?」
何か言いかけたようだけど、追求するなオーラに圧されてそこで訊くのをやめた。
鈴が起き上がったのか、ベッドの上を重さが移動する。
「四つ葉のクローバー、今はないって」
あたしが呟くと、愛琉さんが振り向いて。
「悪かった」
「え?」
「俺がちゃんと言わなかったから」
「違うわ、あたしが話も聞かずに洋館を飛び出しちゃったんだもの」
訪れた沈黙。
愛琉さんが謝るとか、すごく貴重ね。
普段は他人に謝れって言うばかりだし。