xxxFORTUNE



寝よう寝ようと頭で考えるほどに、逆に脳が活発になるようで。


眠ってしまえば、必ず明日という朝が来る。

だから、眠るのが怖い。


落ち着かなくて、身体は重たいはずなのに目を閉じても意識ははっきりとしたまま。

小さくだけど、時折聞こえてくる佐久間さんの悲鳴じみた叫び声にほっとした。


あたしはまだ、“ここ”にいるんだなって。



「入るよ」


コンコンとノック音のしたあとで、再びドアが開いたのは数十分後のこと。

お粥を作ってきてくれたらしい。


「愛琉さんは?」


やけに優しかったけど、何かあったのかしら。

いいえ、あの優しさが普通なんだと思う。

でも、あんなに無愛想な人がいきなり優しくなると不思議で。


「愛琉?
あいつなら、今日はオレの部屋で寝かせるから気にしなくて平気だよ」


そうじゃなくて、と言ったところで口を噤む。


感情の消えた冷たい声。

常にある優しい雰囲気が、ない。


閉められたドアの前にもたれかかって、誠はこっちを見ながらため息をついていた。



「ねぇ里音、なんだか怒ってる?」

上半身を起こしながら恐る恐る尋ねると、お粥を冷ましてる彼と絡む視線。






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