xxxFORTUNE
無言で口元に差し出されたお粥を、里音を見つめたまま口に入れる。
「自分で食べられるわよ」
飲み込んだ後で言うけど、里音は黙ったまま。
助けを求めるように誠を見ると、為す術がないとでも言いたげに首を左右に振った。
「里音?」
名前を呼んでみると、また口元にお粥が差し出されて。
とりあえず、お粥を食べさせてもらいながら首を傾げた。
それが数回続いてから、ようやく正面から里音と目が合う。
「どうしたの?」
「どうしたの、はこっちのセリフ」
状況が読めなくて、愛想笑いを浮かべる。
彼の手が、ピタッとあたしの頬に当たった。
ひんやりとした手が、熱を持った頬には心地よかった。
「オレ、傘渡したよな。
なんであんなに濡れて帰ってきたんだ」
心配してくれていたことが、痛いくらいに伝わってくる。
「ごめんなさい」
でも、謝る以外に言い返す言葉が思いつかなくて。
「あの、傘は───」
「大丈夫だから」
里斗くんに渡したことを言おうとしたけど、強い瞳に遮らる。